真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

将棋とチェスでの捕虜の使い方

名人に香車を引いた男。 もうこれだけで、かっこいい。 将棋棋士、升田幸三のことだ。 あれくらい規格外の人物が出てくると、 それが、どんなジャンルでもワクワクさせてくれるだろう。 ところで、升田がGHQとのやりとりなかで、 「チェスは捕虜を殺害してる…

ざんねんなジャイアンツおじさん

先週の日曜日は「巨人対横浜」を観に、東京ドームに行き、 その後に、「FC東京対アルビレックス新潟」を観に、 味元スタジアムに行くという過酷な1日でした。 一緒に行った知人は巨人ファンで、 巨人が劇的なサヨナラ勝ちをしたというのに、わがFC東京はドロ…

編集者はブログを見る

「ブログなども拝読いたしまして、ぜひ、原稿のご執筆を……」 ということが、立て続けにあり、今週は打ち合わせが数件。 ありがたいと思う一方で、全くブログを更新していないことに気づく……。 編集者は、結構、新規で依頼する前にブログなど見たりしますね。…

問題を解決するのもまた「人間」

もう2月も終わりです。あっという間に、過ぎてしまいますね。 決意新たに新年を迎えたのに、もう壁にぶちあたってしまった。 そんな人もいるかもしれません。 はい、僕も、早朝ランニングから早々と撤退……。 だって、冬の早朝に走ったら、心臓に悪そうじゃな…

電通の仕事に編集者は耐えられるか

電通で違法な長時間労働が常態化していた――。女性社員の方が自殺したことで、そんな事実が明るみなり、社会的に問題視されています。 マスコミ全般そうだとは思うのですが、出版業に携わる人たちも、長時間労働に陥っているケースが少なくありません。そんな…

格差なき病、それは梅毒

『〇〇の世界史』というタイトルの本もいささか食傷気味ですが、『性病の世界史』は面白いです。草思社が2003年に発行した『王様も文豪もみな苦しんだ性病の世界史』という本が、2016年2月に文庫化されたもの。 文庫 性病の世界史 (草思社文庫) 著者は1971年…

仕事が進まないときにゲーテならどうする?

偉人エピソードは数あれど、そこからどんな教訓を得られて、どんなふうに活かせるのか。 そんな視点から、斎藤学さんは、『座右の諭吉』『座右のゲーテ』という新書を書いています。言うまでもなく、『座右の諭吉』は福沢諭吉について、『座右のゲーテはゲー…

居場所をいくつか持つということ

児童館や学童クラブごとでの対抗チームを組んだサッカー大会が、地元で開かれました。 かなり寒かったけど、子供たちは元気に走り回る、走り回る。 大会は盛り上がって、敗戦に涙を見せる子どもたちの姿も。 この大会を目標にしてきたチームもあったみたいで…

討論ではない「座談会」が日本人にはよく合う

インタビュー、対談をまとめるのが、三度の飯より好きなワタクシ…・・。 いや、さすがにそれは言い過ぎですかね。 でも、自分で文章を書くのは、全く違う筋肉を使っている感じが心地よいのです。 人数が多い座談会となると、一人一人の発言量は減るけれども…

話すように書く

書棚を整理していて、思わず読み返しているのが、『もっとおもしろくても理科』。 もっとおもしろくても理科 (講談社文庫) 清水義範さんの文章は心地よい。軽く書いているようで、これが結構、ムズカシイ。 東海林さだおさん、なんかもそうだけど、計算され…

「知らないこと」は「ない」のと同じ

年末ではし切れなかったので、年始の休みを利用して大掃除を。 すると、出てくるんですね。 「おー、こんなところに!これはいるものだから、捨てられないな」 というシロモノが。 でもですね、そこにあることを知らずに、それまで生活したわけです。 ならば…

Hanakoで「言葉の力で道を開く」の監修をしました

発売中のHanako(2017年1月12日、26日号)、第2特集は「開運招福BOOK」。 そのなかの「言葉の力で道を開く」のコーナーを監修しました。 サッチャー、与謝野晶子、ナイチンゲール、樋口一葉など、新年を持って生きた女性たちの言葉を紹介。 ポジティブな2017…

初めてのパン食い競争。起源には諸説あり

この10月に子どもの運動会があったという親御さんは多いはずだ。親子競技に参加して、久々に綱引きや障害物競争をした人もいるかもしれない。子どもの行事を通して、小学生時代を追体験すると、思わずノスタルジーに浸ってしまう。 その一方で、この年になっ…

亀田興毅のCMに心を打たれるとは……

良いCMだなあ。 亀田興毅の演技もなかなか……。 先輩にいじられるところとか、リアル。

どれだけ振り回されても、離れがたい人はいる?(桂望実の『嫌な女』で読み説く幸福論)

周囲を振り回してばかりの人が、世の中にはいる。他人の迷惑も顧みずに、己の欲望に忠実に生きるワガママな人のことだ。 できれば、お近づきになりたくないが、実のところ、偉人のなかにもそういう人は少なくない。野口英世もマルクスも、周囲を引きずり回す…

自分のウィークポイントに誘惑はスルリと入り込む(藤沢周平の『闇の歯車』で読み説く幸福論)

「この問題さえなければな……」 人生で、そんな悩みを抱くことは、誰にでもあるだろう。己の境遇かもしれないし、長きにわたるコンプレックスかもしれない。「なぜそんなバカなことをしてしまったのだ……」と周囲が唖然とするようなヘタな詐欺に引っかかったり…

いつも東京駅にいた

「用心は英知の長男である」と言ったのは、フランスの詩人ヴィクトル・ユーゴーだが、用心し過ぎていた僕は、いつも東京駅にいた。 それは、就職活動時期のことだ。 東京でマスコミの面接があるたびに、夜行バスで上京。30分足らずの面接を終えれば、帰りの…

夏の夜の親子丼

三島由紀夫、原敬、鳩山一郎らが愛した新橋の「末げん」の親子丼……には、 ほど遠いが、ふわとろ親子丼に挑戦。 親子丼は、太宰作品にもちょいちょいと出てくる。 『乞食学生』、『黄村先生言行録』では、こんな風だ。 -------------------------------------…

寂しい過疎の町でも日々はいつも新しい(『向田理髪店』奥田英朗)

向田理髪店 北海道の寂れた炭鉱の町にある「向田理髪店」。 客は昔から知った顔ばかりだ。 店主の康彦は、一度は札幌に出て大学生活を送り、 そのまま就職したが、結局、家業を継ぐことに。 父のヘルニアがそのきっかけだったが、それだけではなかったことが…

取り巻く世界は読書で変わる(『目でみる漢字』『よくわかる元素図鑑』)

目でみる漢字 小学生になったばかりの息子。 もともと、文字が書くのが好きだが、ひらがなよりも漢字のほうが、書きやすそう。 角ばっているから書きやすいのかな、と思っていたけど、それだけではなさそう。 漢字のほうが、意味と形をイメージしやすいよう…

ヤマメと山椒魚

いろいろと状況が変わり、全くブログを更新しておりませんでした。 やや落ち着いたので、また書きたいと思いまする。 献本もいろいろいただいているのに、すみません。 とりあえず、先日、 秋川渓谷で釣りとバーベキューをして、 釣った「渓流の女王」、ヤマ…

新刊『世界の大富豪100の言葉』を出しました!

すっかりブログを放置していました。 その理由が、この本を執筆していたからなのでした。 世界の大富豪 100の言葉 大富豪は偉人と比べてとかく印象が悪くなりがちなのですが、 「富」という具体的に世の中を変える手段を持った彼らの生きざまは、 実に波乱万…

絶望したときに効くコトバ

「一番好きな言葉は何ですか?」 先日、名古屋外国語大学で講演をしたとき、 質疑応答でこう聞かれたのである。 いや、これは当然聞かれるでしょう、 偉人の名言について話しているわけですからね。 いやでもね、あの質疑応答って、 講義が終わって、ちょっ…

逸話が人物像を形作り、人物像が逸話を際立たせる ~大久保利通の冗談~

偉人の素顔に迫る場合に、エピソードの拾い方は、大きく分けて2つある。 「いかにもその人らしいエピソード」と「イメージにそぐわないエピソード」だ。 例えば、大久保利通についてならば、岩倉使節団の一員として、 アメリカとヨーロッパを廻ったときに、…

あらゆる仕事は「つぼみ」である ―柳田國男の『海南小記』―

序文をどう書くか。 口火を切るのに、逡巡のない書き手は少ないだろう。 僕も序文には、毎回のことながら、心を砕くことになる。 たとえば、柳田國男はこんなふうに序文を始めた。 「ジュネヴの冬は寂しかった」 『雪国の春』と並んで、 柳田國男の名紀行文…

病気が天才を作る ―ゲバラと喘息―

どういうわけだが、最近、風邪を引かなくなった。 僕がいう風邪とは「発熱」を指すので、 その手前の症状はなくもないんだけど 熱さえ出なければ、そこまで生活に支障はきたさない。 かつてはしょっちゅう引いていただけに不思議である。 しかし、病によって…

26歳で県知事になった伊藤博文(書評『努力したぶんだけ魔法のように成果が出る英語勉強法』清涼院流水)

26歳の若さで、兵庫県知事に 就任した人物をご存知だろうか? 先日、都構想が否決されて、 政界引退を表明した橋下徹が、 大阪府知事に就任したのが38歳。 当時、現職最年少の知事となったが、 この人物が知事になったのは、 それよりもさらに10年以上も若い…

どケチな石油王ゲッティの孫が遺体で発見

唸るほどの財を石油ビジネスで稼ぎ出しながらも、 恐ろしくケチだったことで有名なポール・ゲッティ。 83歳でこの世を去ったとき、こんな弔辞を送られたくらいだ。 「ポールのことを思うとき、私は金を思う」 そんなポールの孫が、遺体で発見された。47…

米化学大手デュポンのルーツは「死の商人」

工場が爆発して4人死亡したという事故が起きて騒ぎになっている、米化学大手デュポン。 米化学大手デュポンの工場で爆発、4人死亡 事前に化学物質漏えい http://www.afpbb.com/articles/-/3031864 ピエール・サミュエル・デュポン デュポン家の創始者は、ピ…

『孤高のことば』(萱野稔人編、東京書籍)

孤高のことば 昨年の8月に刊行された本。 編集協力はラリーさんで、私も少し協力を。 改めて読み返すと、良い本ですな。 孤独についての名言が、 モノクロの写真でより心に刺さる。 「ひたすら自分の道を進め。 人には勝手なことを言わせておけばいい」 (ダ…