真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

仕事が進まないときにゲーテならどうする?

偉人エピソードは数あれど、そこからどんな教訓を得られて、どんなふうに活かせるのか。

そんな視点から、斎藤学さんは、『座右の諭吉』『座右のゲーテ』という新書を書いています。言うまでもなく、『座右の諭吉』は福沢諭吉について、『座右のゲーテゲーテについて書いています。彼らの著作から、今の私たちがよりよく生きるための処世術を導いています。

斎藤さんらしく分かりやすい文章で、自分の経験とも照らし合わせながら、彼らが言わんとしたことはこんなことではないかと、読者と読み説いていく。何やら諭吉やゲーテが、身近な存在に思えてくる、良書だと思います。手軽に読めて、書いてあることは、深い。

座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)

 

たとえば、仕事が思うように進まないときは「まずは扱う対象を小さく区切っていくことが肝要だ」と斎藤さんは書きます。それは、ゲーテのこんな言葉からです。

「一番よいのは、対象を十か十二くらいの小さな個々の詩に分けて描くことだろうね」

一つ一つ、達成感を持ってクリアしていく。その小さな一歩の積み重ねが、大きな事業を成し遂げることになります。偉人たちの業績もまた、そんな地道な毎日から生まれることを教えてくれます。

ムズカシイ仕事は、とりあえず分けて考えてみると、活路が見えてくることでしょう。