絶望したときに効くコトバ
「一番好きな言葉は何ですか?」
先日、名古屋外国語大学で講演をしたとき、
質疑応答でこう聞かれたのである。
いや、これは当然聞かれるでしょう、
偉人の名言について話しているわけですからね。
いやでもね、あの質疑応答って、
講義が終わって、ちょっとほっとしているときにあるじゃないですか。
もう思考が止まってしまっていて
「あああううう」となってしまい、
いやはや、実にお恥ずかしい限り。
かろうじて答えたのが、この言葉だった。
「絶望するにも才能がいる」
――小林秀雄
そのとき、己のまぬけさ具合に
絶望していたのはほかならぬ自分であって、
さらに学生に「小林秀雄って誰ですか?」とくらって、
あわわ、ぐぐぐ、もっとメジャーどころにすればよかったと後悔しながら、