真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

ますますいい気な「おせち」を叱る

おせちはこのところ、少しいい気になっているのではないか――。

これに勝るエッセイの書き出しを、僕はまだ知りない。

著者の東海林さだお氏は、高額化するおせち料理に対して、

「おせちは、伝統とか、儀式とか、由来とか、

そういうものの上にアグラをかいて

いい気になっているような気がする」

と怒り出し、一品一品に説教していく。

なんて素敵な人なんだろうか。

「ゴマメは見るからに貧相である」

カズノコが主張している『多産、子孫繁栄』などは、

時代錯誤もはなはだしいうえに、

中国あたりから抗議される恐れもある」

「黒豆が言わんとする『マメに働く』などは

ECあたりに知られたら国際問題にもなりかねない」

今回のグルーポンのおせち騒動を見ていて、

まず思い出したのがこのエッセイだ。

おせちじゃなかったならば、

これほどの騒ぎにはならなかったかもしれない。

この名エッセイは「タコの丸かじり」に収録されている。

ぜひご一読をば。

タコの丸かじり (文春文庫)タコの丸かじり (文春文庫)
(1994/08)
東海林 さだお

商品詳細を見る