「聖書は謎解きのようなもの」(太宰治)
聖書といえば、分厚くて重い。
内容も小難しいというイメージがあるかもしれないが、
読むとなかなかどうして面白い。
太宰治は、こんな言葉を残している。
「聖書は、謎解きのようなものだ。
よめばよむほど、分からなくなる。
その分からないところを、なんとか無理して分かろうとする、
その努力だな、その頭の訓練によって、
知恵というものを授かるんだ」
一般的に広く知られてはいないかもしれないが、
太宰作品は「聖書」と「落語」からの影響なしに
語ることができないのだ。
とはいえ、ちょっととっつきにくい印象がぬぐえない、
聖書が新書で読める時代になった。
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1月15日発売の「ブルータス」に書いた記事で、
リンカーンの名演説は、実は聖書からの引用であることを書いたが、
さまざまな創作のベースには聖書があると言っても過言ではない。
太宰がどんなふうに読んだのか想像しながら、
電車で通勤傍らに気軽に聖書というにもいいかもしれない。
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