真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

「聖書は謎解きのようなもの」(太宰治)

110617_19.jpg

聖書といえば、分厚くて重い。

内容も小難しいというイメージがあるかもしれないが、

読むとなかなかどうして面白い。

太宰治は、こんな言葉を残している。

「聖書は、謎解きのようなものだ。

よめばよむほど、分からなくなる。

その分からないところを、なんとか無理して分かろうとする、

その努力だな、その頭の訓練によって、

知恵というものを授かるんだ」

一般的に広く知られてはいないかもしれないが、

太宰作品は「聖書」と「落語」からの影響なしに

語ることができないのだ。

とはいえ、ちょっととっつきにくい印象がぬぐえない、

聖書が新書で読める時代になった。

新約聖書 1 (文春新書 774)新約聖書 1 (文春新書 774)
(2010/10/19)
佐藤優・解説

商品詳細を見る

1月15日発売の「ブルータス」に書いた記事で、

リンカーンの名演説は、実は聖書からの引用であることを書いたが、

さまざまな創作のベースには聖書があると言っても過言ではない。

太宰がどんなふうに読んだのか想像しながら、

電車で通勤傍らに気軽に聖書というにもいいかもしれない。

斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)
(2000/10)
太宰 治

商品詳細を見る