「一人飲み」はフランス人的な個人主義
世のサラリーマンが、地方出張をきっかけに目覚めるという「一人飲み」。
年齢を重ねるに連れて、友人たちもみな忙しくなり、当日に急に飲みたくなっても、誘いづらくなるものである。一人で飲み食いするマンガやドラマも流行るわけだ。
『ひとりメシの極意』(朝日新書)では、東海林さだお氏のエッセイの合間に、太田和彦氏との対談が楽しめるように構成されており、これが面白い。
太田 思うに、ひとり酒、ひとりメシは個人主義でしょう。フランス人的な個人主義だから、僕は最高なことだと自認しているんです。どう見られていようが。
東海林 みんな憧れてはいるんですよ。悠々とやりたい。だけど、これが難しい。
カウンターで一人、フランス人的な個人主義をいかに貫くか。
あーでもない、こーでもないと二人で議論しているのを見ると、「やっぱり、誰かと飲むのがいいな」と思ってしまったり。
道は険しいのである。