真山知幸ジャーナル

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有名人らしくない勝間和代を見た日

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)
(2012/04/28)
勝間 和代

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その人でしか書けない本というものがある。

その著者ならではの、本。

 

そういった本は、どういった類なものであれ、

好意的に受け止めている。

体験した人でしか書けないことがあるならば、

それを形に残すのはある種の「責任」とも言えるだろう。

そして、それは決して楽な仕事ではないからだ。

 

この本は、まさに勝間氏でないと書けない本だろう。

「有名人になる」ことのメリット、デメリットが赤裸々に書かれている。

有名人はプライバシーがないよね、ってなことは予想しやすいが、

意外に儲からないし、必ずしも宣伝効果があるわけでもない、

というところは、意外に思う人も多いのではないだろうか。

今日び、本を売るというのは、非常に難しいことなんだなあ・・・。

せっかくなので、この本に敬意を表して、

おそらく僕にしか書けない、勝間エピソードを紹介しよう。

 

2、3年前の話。

某出版社のパーティで、壇上に著者たちが上がった。

その数は20人あまり。そのなかに、勝間氏がいた。

大半はビジネス界では有名かもしれないが、

書き手としては、それほど知名度のない人たち。

1冊だけしか出版していない、デビューしたての

書き手も結構いたような気がする。

その著者たちが一言ずつ、

集まった参加者たちに挨拶をしていく。

みな、自分の番のときに何を言おうかと、

頭がいっぱいだっただろう。

そして終わればほっとして会場を見渡すといった様子だった。

そのなかで、書き手が挨拶するたびに、

話している人の顔をしっかりと見ている著者がいた。

それが勝間氏だった。

 

壇上で、間違いなく、もっとも知名度がある人が、

「どんな人だろう?」というように、他の著者の顔を

身を横によじってまで、見ているのが非常に印象的だった。

 

単に余裕があったからと言えば、それまでだが、

おおよそ有名人らしくない振る舞いに、

ヒットメーカーの凄みを感じた次第である。

と、まあこんなふうに、

一挙一頭足に注目され

好き勝手な解釈をされるのが

有名人の大変なところなのだ(笑)

本書を読んで、そのことがよく分かった。

 

マスメディアまでいかなくても、

会社や学校、地域レベルでの有名人もいる。

その場合も、共通して当てはまることが多い。

案外に身近なテーマなのかもしれない。