真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

書き手のスタンスには3つのタイプある(『清涼院流水の小説作法』より)

抱えているうちの1冊のお仕事が終了。

 

こうして1冊、また1冊と書くうちに、

文章力がレベルアップしている自分に気づく・・・

な~んて、わけはもちろんなく、いつになっても悪戦苦闘している。

少しはうまくなっとんかいな?

  

果たして、自分の書く文章は、

どんなところを目指しているのか。

この本を読んで、自問自答してみた次第。

 

清涼院流水の小説作法清涼院流水の小説作法
(2011/09/24)
清涼院 流水

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流水さんの書くものは、普通の感覚で生まれてくるものではない。

日本から人がどんどん消え去るという『コズミック・ゼロ』、

マイケル・ジャクソンの生涯を成功哲学という切り口で、

1人称で書ききった『キング・イン・ザ・ミラー』など、

挙げればキリがないが、どれもこれも、

発想がぶっ飛んでいるのだ。

  

だが、それでいて読者を置いてけぼりにすることは

ないのは、なぜなのだろう?

この本を読んで、その理由に気づいた。

おそろしく文章がわかりやすいからである。

 

本書では、向上心のある書き手のスタンスには、

3つのタイプあると書かれている。

 

1)美しい文章を理想とする

2)読みやすい文章を理想とする

3)勢いのある文章を理想とする

 

流水さんは、このうち読みやすい文章を理想とし、

ひたすら追求してきたのだという。

うーむ、どうりで、どんな設定でも、

ぐいぐい引きこまれてしまうはず・・・

本書では、その具体的なテクニックにも言及されていて、

実に参考になった

さて、僕はどうか。

自分の執筆活動を振り返ってみるに、

やっぱり、この3つでいうと、自分も

「読みやすい文章」を追求しているのではかしらん。

そうか、僕も流水さんと同じタイプか、ふふふ・・・。

と、のんきに考えたのだけど、

流水さんはこんなことも書いている。

 

「ぼくの原稿は『他の作家さんに比べて驚くほど

誤字脱字が少ないですね』と編集者や校閲者に驚かれたことが

何度もあるのが、書き手としての密かな誇りですが、

それは能力の問題ではなく、ただ単に他の方より

原稿を読み返す回数が多いのだと思っています」

!!

わわわわわわ・・・。

同じタイプどころか、僕の場合は・・・。

(今後の営業活動に影響するので詳細は自重)。

えーと、やはり僕は

「勢いのある文章」でいくことにします!

・・・わっ、痛い!

担当経験のある編集者の方々、石を投げないで!

いやいや、書き手として刺激に満ち溢れた1冊でした・・・。

自分の書いた文章を精査する努力が半端ではない。

がんばらないとなあ。

コズミック・ゼロコズミック・ゼロ
(2009/05/27)
清涼院 流水

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キング・イン・ザ・ミラーキング・イン・ザ・ミラー
(2010/10/16)
清涼院 流水

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