「すなはちは、人みなあぢきなき事を述べて、
いさゝか心の濁りもうすらぐと見えしかど、
月日重なり、年経にし後は、
ことばにかけて言ひ出づる人だになし」
(直訳:大震災の直後には、誰もが無常を語り、
心の濁りも薄らいだように思われたが、月日が重なり、
何年か過ぎた後は そんなことを言葉にする人もいなくなった)
平安末期~鎌倉初期の激動期に書かれた、鴨長明「方丈記」。
前半は客観的な災害ルポでその視点は鋭い。
なるべく風化させないことはもとより、
それでも風化してしまうことを前提とした、
取り組みが必要なのだろう。