真山知幸ジャーナル

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立川志ら乃の自伝本『うじうじ』が発売!

うじうじ

イジめられていた小学時代から、お笑いに目覚めた中高校時代……。

落語をバカにしていたときもあったという立川志ら乃が、

いかに立川志らくの弟子になり、落語道をひた走ることになったのか。

本書では、立川流の真打ちになるまでの道のりが書かれている。

自分もかかわった本なのでちょっと書きにくいのだが、

一読者としてフラットに読んでも、元気をもらえるよい本だと思う。

2週間前くらいだろうか、書店にも並び始めた。

2013-06-20 20

「俺はこういう人間だ!」と叫ぶ『ビックダディ』の横で『うじうじ』している志ら乃さん

壁にぶつかっては対策を練って、

それがまた見事に空回して、最悪の結果を呼ぶ……。

そういう展開は人生でよくあることだが、

自伝の類では、そのあたりの紆余曲折が

ばっさりと削られてしまっていることが少なくない。

それは本人が隠したい、というよりも、

『うじうじ』している過程を描いているとキリがないし、

矛盾が出てきたりして、1冊の本としてまとまりがなくなるからだろう。

でも人が行動して何かを実現していく経過では

どうしても矛盾や回り道が含まれてくるものだ。

志ら乃さんはそこをあえて描ききった。

それもまた、本書で言及されている、

変にきっちりとしてしまう性分の一つなのだろう。

志ら乃さんの「うじうじ」がとてもリアリティがあって、

思わず応援したくなってしまう。

師匠に認めてもらうための「真打ち昇進トライアル」は、

私も実際に観ていたが、

今回、本人の心境とともに書かれたものを読んで、

想像を絶するプレッシャーと葛藤があったことを知った。

とはいえ、それがまた裏目に出てしまうのだが・・・・。

立ちはだかる、師匠・立川志らくのダメ出し。

またその解釈を巡って、頭を悩ませる立川志ら乃

この2人の関係がとてもうらやましくて、

読み終わると「師匠のある人生」に憧れることだろう。

本書の制作中に、真打ち披露会に行ったことはこのブログでも書いた。

そのときの舞台裏についても、この本では触れられている。

立川志ら乃さん、立川こしらさんの真打ち披露会へ

http://mayamatomoyuki.blog84.fc2.com/blog-entry-173.html

うじうじ悩みながらも、古典落語の道をひた走る志ら乃さん。

立川談志の孫弟子としては、最初で最後の真打ちとなったが、

これからの活躍にますます期待したい。

高座に興味のある人はぜひ一緒に独演会へ行きましょー!

実際、何人か友達連れて行ったなあ。

なかには落語が初めて人もいたが、めっちゃウケておった。

日程は、本人のブログでチェックしてみてください~。

立川志ら乃のブログ

http://ameblo.jp/st-blog/