真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

西村賢太は病みつきになる

二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)
(2010/10/23)
西村 賢太

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乗り換え駅のキオスクでフラリと買ったが、癖になりそう。

どれも最低な内容だが(褒め言葉です)、

「腋臭風呂」は特にヤバい。

初めは18歳の頃の話なのだが、途中で20年後に飛んで、

小説で印税を得るようになった「私」の話になる。

しかし、根本的になにも変わっていないという・・・。

むしろ、よりえげつない状況になっておる。

日当をいつも使ってしまい、

なんとか月額のアルバイトに移ろうとするも、

家賃を踏み倒しては逆ギレ、逆恨みのオンパレード。

ダメだ、こいつ・・・そうなんどつぶやいたことか。

これだけ醜く、実生活ではかかわりを

持ちたくないような最低な主人公・貫太。

それでも応援したくなるのはなぜだろう。

心置きなく大暴れしてほしくなるのはなぜだろう。

たまらなく魅力的に感じるのはなぜだろう。

「正しさ」に疲れたときに読みたい一冊。