真山知幸ジャーナル

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名言の宝庫だが実際にいたらどうなんだ

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)
(2006/12/07)
ワイルド

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光文社古典新版にて再読。

ついでに岩波版と新潮版とも、

ところどころで比較してみたけど、

圧倒的に読みやすい。

センテンスをなるべく分けているからだろう。

もちろん、ゆったりとした文字組の影響も大きい。

ヘンリー卿が会話でいちいち皮肉を言うのが、伝染してしまいそう。

こんな会話の切り替えしができたら、と

真似したであろう当時の読者たちの気持ちはよくわかる。

しかし、実際にこういう気の効いたことばかり

言う人がいたら、疲れてしまいそうな気も。

だからこそフィクションで活躍するのだろう。

「博愛主義の持ち主というのは、

思いやりというものを完全に失っていますからね。

それが何よりの特徴です」

(ヘンリー卿)