真山知幸ジャーナル

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『独裁者の最強のスピーチ術』の実用性がスゴイ

独裁者の最強スピーチ術 (星海社新書)独裁者の最強スピーチ術 (星海社新書)
(2012/04/26)
川上 徹也

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タイトルに「最強」とあるが、

ストーリープランナーの川上さんと

竹村さんという編集者の

組み合わせこそが最強かもしれない。

 

「いかにメッセージを読者に届かせるか」

 

ということに最重点を置き、

現実生活への実用性・わかりやすさ・訴求力を

徹底的に磨き上げた。

この本はそんな1冊だ。

ヒトラーの演説本はたくさんあるし、

橋下徹についての本は

これからもたくさん出るだろう。

だが、2人の政治スタイルをここまで、

読者が役に立つかたちで提示できる本は、

今後でてこないかもしれない。

思えば、『君の歳にあの偉人は何を語ったか』でもそうだった。

昨年末には、すでに原稿はできあがっており、

初校を待つのみの状態だったが、

一つの不安が拭いきれなかった。

「偉人の名言を年齢別にした本はこれまでなかった。

もともと関心のある人には楽しんでもらえるだろう。

だが、歴史や偉人に興味のある人ばかりではない。

そうではない人にも、届くだろうか?」

 

そこで、刊行から1ヶ月前から、

竹村さんと改めてミーティングを開始して、

すべて書き直すことになった。

どういうリライトをしたのかは、

長くなるので書かないが、

やはり、現実生活への実用性を高めるように、

そして読者により訴求力をもった内容になるように、

全面的に改訂した。

正直、かなりタイトな仕事だった。

それは編集者にとってもそうだろう。

このまま出版しても、問題のないレベルだ。

だけど、やれることはやっておきたい――。

 

2月の竹村さんとのメールやりとりを読み返しても、

まさに「死闘」だったと言っても大げさではない。

それだけ踏ん張れたのは、実は経緯があった。

竹村さんとは、今の出版社に移る前にも、

何度か仕事をしようとして、叶わなかった。

そのなかでも、渾身の企画が「偉人モノ」だ。

挫折の多い偉人たちの人生から、何か勇気付けられる

メッセージを届けられないか、と考え抜いた企画があったが、

編集会議で却下された。

いろいろと事情があったのだろうが、

「企画、ダメでした」と電話口で語る竹村さんの声は

いつになく、悔しさをはらんでいた。

そんな経緯があったからこそ、

この本は必ず成功させたい。

洪水のように新刊が出るなか、簡単なことではないが、

できるだけ、多くの読者にメッセージを届けたい、

そういう強い思いで完成させることができた。

君の歳にあの偉人は何を語ったか (星海社新書)君の歳にあの偉人は何を語ったか (星海社新書)
(2012/03/23)
真山 知幸

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「もう、今の人生で十分満足してるよ」

そういう人には、この本は不用だろう。

さっさと本棚に戻して日常に戻ってもらいたい。

だけど、もし少しでも人生を変えたいのならば、

ぱらぱらとでもいい、ページをめくってもらいたい。

あなたの明日を変える視点を

必ずもたらしてくれるはずだから・・・。

・・・と、何を自著の宣伝をしておるんだ、と

思われるかもしれないが、

『独裁者の最強スピーチ術』で書かれている

「ストーリーの黄金律」を早速、実践してみた。


1)何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公が、

(例:過去に偉人の企画をやりたいと思ったが、叶わなかった)

2)なんとしてもやりとげようとする遠く険しい目標・ゴールをめざして

(例:必ず読者の人生を奮い立たせるはず、なんとか届けたい)

3)数多くの障害・葛藤・敵対するものに立ち向かっていく。

(例:このままでは興味を持ってもらえないかもという不安、

人生を諦めた人たちや「偉人は成功したから言えるんでしょ」という人たち)


即興なので、お粗末で失礼。

もっと読み込まねばなりませんな。

本書では、黄金律を始めに、実際のスピーチに

役立つ具体的なノウハウがぎっしりつめられている。

書き手としても、学びが多かった、うん。