真山知幸ジャーナル

告知、執筆活動の記録のほか、書評、名言、偉人についてなど

泳げなかった森鴎外

水の事故が続いている。

季節柄、毎年のことだが、

天竜川で川下りで死亡者が出たのは衝撃が大きかった。

一人は2歳の子どもである。

あまりにつらい。

 

熊本・球磨川でも、急流下りをして、9人が転落したが、

こちらは死亡者は出なかった。

9人ともライフジャケットを着ていたため、

自力で岸にたどり着いたようだ。

こういうとき、自分の意思を伝えられない子どもでない限りは、

泳げない者のほうが用心深くで良いような気がする。

まさに僕がそうだからだ。

「大丈夫だよ、大げさな」とどれだけ白眼視されようと、

どれだけ暑くて装着が面倒でも、僕は必ず安全をとる。

現に、海外で子どもの遊びのようなボートに乗るときも、

ライフジャケットの紐がどうも怪しかったので、

金まで払っておきながら、直前で乗車を拒否したという実績がある。

命を危険に晒してまで読む空気などない。

断言しても全くかっこよくないが・・・。

 

明治の文豪・森鴎外

彼も、泳ぎが苦手だった。

息子と船に乗っているとき、鴎外は

「ねえ。パパ。もし船がひっくり返るとどうなるの」

 

と聞かれた。

かわいらしい質問だが、

鴎外はあっさりとこう答えた。

 

「水の中では俺は駄目だよ。

パパは泳げないからな」

 

息子の前でも見栄をはらないのがすごい。

子どもは不安になったかもしれないが・・・。

陸軍の森鴎外らしいコメントではある。

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