真山知幸ジャーナル

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『石川くん』 (枡野浩一著、集英社文庫)

石川くん (集英社文庫)石川くん (集英社文庫)
(2007/04/20)
枡野 浩一

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偉人たちを取り上げた本は世の中にあまたがあるが、

この本は異色中の異色。

歌人枡野浩一石川啄木をけなしまくっているのである。

彼が怠けもので仕事をしょっちゅう休んでいたこと、

毒舌で他人を辛らつにけなしていたことなどをからかい、

しまいには身長の低さ(158cm)までけなす。

「もしかして、ちんちんの大きさも気にしてる?」とまで!

いやあ、この本、実に面白いんだな。

けなしまくってるからじゃない(それもあるけど)。

その根底に、石川啄木への愛をびしばし感じることができるからだ。

愛のあるいじりは難しい。

でもだからこそ、読んでて楽しい。

ああ、石川啄木のダメなところも全部魅力なんだ。

こんな歌もあるのだ。さすが、石川くん!

「一度でも我に頭を下げさせし

人みな死ねと

いのりてしこと」