名言相談室(1)「いつも恋人未満で終わってしまうのはなぜ?」
はい、お便りありがとうございます。
ふむ、愛知県にお住まいの16歳の男性、
ラジオネーム、りょうたろうさんから、
こんなお悩み。
「女の子とどれだけ仲良くなっても
なかなか恋愛対象としてみてもらえません。
どうすればいいでしょうか」
ああ、なるほどですね。
女の子と話せない、とかではなくて、
話せるがゆえに仲良くなりすぎてしまうと。
そんなことしてるうちに、
そのへんのわけのわからん変形ズボン履いた、
不良に持っていかれると、そういうことですね。
これは、結構よくあることだと思いますが、
一体、なぜなんでしょうか。
先生、教えてください。
「始終接触して親しくなり過ぎた男女の間には、
恋に必要な刺戟の起る清新な感じが
失われてしまうように考えています。
香をかぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限るごとく、
酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にあるごとく、
恋の衝動にもこういう際どい一点が、
時間の上に存在しているとしか思われないのです。
一度平気でそこを通り抜けたら、
馴れれば馴れるほど、親しみが増すだけで、
恋の神経はだんだん麻痺して来るだけです」
当然、仲良くならなければ恋は始まらないわけですが、
仲良くなりすぎても刺激がなくなってしまうため、
早めに勝負をかけて、無理そうならば、
とっとと次にいきましょう、とそういうことですね。
漱石先生、ありがとうございました!
りょうたろうさん、がんばってくださいね!
【今回の本】
すごいカバーだな……。
こころ (集英社文庫) (1991/02/25) 夏目 漱石 商品詳細を見る |