真山知幸ジャーナル

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「思考停止ビジネス」(坂口孝則/徳間書店)

売りたかったら客に考えさせるな! 思考停止ビジネス売りたかったら客に考えさせるな! 思考停止ビジネス
(2011/03/19)
坂口 孝則

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ちょっとだけ仕事が一段落。

また明日からがんばらねばらないが、

溜まっていた本の紹介を少しずつ。

いわゆる悪徳商法の本は多田文明氏をはじめ、

多くの本がすでに出ているし、

幸か不幸か、僕は自分の体験としてもいくつか痛い目に遭っている。

そのキャリアを生かして友人を救ったケースもいくつかあったりして、

怪しげなものを見抜ける力はちょっと自信がある。

だが、本書を読んで、それでは全然いかんのだなあ、と反省。

「思考停止ビジネス」というくくり方が面白い。

そこには先に述べたような悪徳商法や宗教も含まれるのだが、

もっと身近な営業セールスも「思考停止ビジネス」であることが多いようだ。

たとえは、

法被を着て元気だけがとりえに見えるような兄ちゃんも、

4つのことを客に「させない」ように心がけているのだと著者は言う。

1:比較させない

2:分析させない

3:変えさせない

4:「買わない」ことをさせない

いやいや、ちゃんと家電買うときは比較して分析してるし、

実際に見て違うと思ったら商品も買えるし、

ダメだったら買わないよん~なんて余裕かましていても、

本人の気づかせぬように、それらを「させない」のが彼らの仕事だ。

うっかり買ってしまった、なんとなく気持ちが乗ってきたので購入した、

なんてときは、この思考停止ビジネスに嵌められたときが多いのではなかろうか・・・。

不景気なこの時代。

いくら無駄なものは買わないと思っていても、

相手は「買わせるプロ」である。

物が売れないのは当たり前で、

それでもかつ売るために現場に送り込まれてきている。

ましてや家のセールスマンなどでかい額を買わせる営業は、

その仕事が続いている時点で、ツワモノだろう。

もちろん、営業マンは敵ではない。

ただ、良い買い物をするためにも、

どんな心理テクニックを使ってくるのか、

客としても、手の内は知っておいたほうがいいかもしれん。

上の4つの「させない」は、そのほんの一例である。

ああ、今もページをぱらぱらしていると

「希少性」「自分に都合の良い情報だけを選びたい欲求」などの

文字が飛び込んでくる。

耳が痛し・・・。