震災後の書店
震災の影響で、紀伊国屋が早く閉まってしまう。
仕事後にいくと、もう蛍の光が流れておる。
比較的早く仕事が終わったときの楽しみが・・・。
仕方ないか。
蛍の光を聞きながら、店内をぐるりと。
お、やはりこういうコーナーができている。
まだ本が見たりなかったので、家の近所の書店にも行く。
紀伊国屋よりもここのほうが遅くまでやっている。
大きな書店ではないが、品揃えが渋い。
僕の書いた本もずっとレジ前に平積み2列。
大丈夫なのか。自分以外に買っている人はいるのだろか。
嬉しいが、つぶれないでくれよ・・・。
しっかりと見解を持っておきたい人は、
数冊まとめ買いしていくこともあるだろう。
ちょうど今、宝島の編集者から電話があった。
震災後の本の売り上げは厳しいかと思いきや、
意外と動きはいいという。
「もちろん被災地の人はそれどころじゃないだろうけど、
外食が減って、早く家に帰ってゆっくりと
本でも読むかという人は多いみたい。
クロスワードパズルや漫画なんかは特にいい。
サラリーマンが帰りがけに子供に買って、
そして自分も1冊買う、みたいなこともあるんじゃないかな。
テレビも同じ映像ばかり流れているし・・・」
確かに、地震のあった日も、その夜、
近所の書店は平然と営業。
客も普段と同じくらいいたことに驚いた。
震災や原発の関連の書籍を読んで、
今の状態をきちんと把握したい人もいれば、
こんなときだからこそ、小説をという人もいるのだろう。
そしてなによりも、書店にいる客たちの姿に
安心するのかもしれない。