『おしりたんてい』で始める探偵モノ
初めて探偵モノの謎解きに触れたのは、クイズ本だったと思う。頭の体操のような問題のなかに、ちょっと怖い問題が混じっており、それがダイイングメッセージの謎解きだったり、密室のミステリーだったりした。
怖いんだけど、面白い。そこから、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズに入っていて、ポアロや赤川次郎をつまみ食いするようになった。友達と「探偵団X」という謎の組織も作ったなあ……。
謎解きに挑戦するのは、洞察力を身につけるのにも最適だ。殺人といったおどろおどろしいものを排除し、ひたすらポップで5歳くらいから読める探偵モノが、今はある。『おしりたんてい』である。
おしりたんていは、この風貌の割にはクールでちゃんとしていて、いつも鋭い推理力を発揮する。口癖は「フーム、においますね」だが、「におうのはお前だ!」とは誰もツッコまない優しい世界。署長は、めっちゃ小さいマルチーズだしね。
おしりを生かした解決法も飛び出す、ゲラゲラ笑える探偵モノ。謎解き(間違い探しレベル)も気軽に楽しめるものだし、きちんとどんでん返しもあって、結構、じっくり読みふけることができる。絵本から文字の本への架け橋的な1冊といえるだろう。
おしりたんてい いせきからのSOS (おしりたんていファイル)
- 作者: トロル
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2017/08/03
- メディア: 単行本
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